【アンティーク入門 :vol.8】バカラなどに見るアンティークガラスの歴史

軽井沢 アンティーク ベルリネッタ バカラ

 

こんばんは。軽井沢のアンティークショップ、ベルリネッタ軽井沢です。

 

当店でのお買い物をより一層楽しんでいただければと、当ブログではアンティークの豆知識をご紹介しています。

 

前回はテーブルコーディネート&テーブルセッティングについて、その歴史と様式について詳しく記事にしました。

 

今回は、陶磁器とともにテーブルセッティングに欠かせないガラス」について紐解いていきましょう。

少しでも知識があると、アンティークガラスを見るのが楽しくなります。

  

 

I-ガラス誕生の歴史

 

ガラスは、人間が生み出した最初の人工素材です。諸説ありますが、紀元前25世紀頃、メソポタミアかエジプトが発祥だと言われています。

 

その後、紀元前後のローマ帝国時代に画期的な技術革新がなされ、「ローマンガラス」という吹きガラスの技法が発明されました。これによって大量生産が可能になり、価格も1/200に下がり、貴族だけでなく一般の人々にも普及していきました。 

 

中世になると、イタリアでソーダガラスの「ヴェネチアンガラス」が、16世紀末にはチェコで透明度の高い「ボヘミアングラス」が生まれ、さらに17世紀にはイギリスで「クリスタルガラス」が作られるようになりました。

 

ベルリネッタでも大人気の「オールドバカラ」は、このクリスタルガラスに当たります。

 

「オールドバカラ」が誕生したのは1764年、フランスのルイ15世が、バカラ村にガラス製造所を設立したのが始まりでした。

 

ガラス成型には高い技術が必要で、吹き付けや表面を滑らかにする職人技により美しさの際立つガラス製品が生み出されます。

 

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I-ガラスの原材料

 

 ガラスはその原材料の違いにより「ソーダ石灰ガラス」「クリスタルガラス」「硼珪酸(ほうけいさん)ガラス」の3つのグループに分けることができます。

 

I--ソーダ石灰ガラス

 

窓ガラス、ビン類、その他多くの食器類に使われている最も一般的なガラス。

古代に最初に作られたガラスも、ソーダ石灰ガラスだったと考えられています。

 

I--硼珪酸ガラス(耐熱ガラス)

科学的な侵蝕や熱衝撃に強く、実験用ガラス器具、薬ビン、大型照明器具などに使われています。

一般家庭では耐熱商品として、電子レンジやオーブンでも使用することができます。

 

 

 

I--クリスタルガラス

オールドバカラの原材料でもある王道のクリスタルガラス。中でも酸化鉛が24%以上使われているものを「レッドクリスタル」と呼んでいます。

  

レッドクリスタルは光の屈折率が大きくカット模様が美しく映えます。また、格別の透明感と輝きがあります。

グラスやタンブラーを指ではじくと、「キン」と響く金属音が発生するのも特徴です。

 

ちなみに、バカラのグラスは酸化鉛の含有率が30%と言われています。

 

よって、光の屈折率・反射率・澄んだ金属音のする美しいガラス製品となり、さらにバカラならではの美しいカット模様と相まって世界中の人々を魅了しているのです。

 

 

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I-ガラスの製法

 

バカラでは「宙吹き」「型吹き」「型押し」3つの製法でガラスを成型しています。

 

I--宙吹き 

ガラスの基本製法。原理はシャボン玉と同じで、長さ2mほどの吹き竿の先にガラスの種を巻き取り、息を吹き込んで形を作ってから道具で整えていきます。

 

I--型吹き

吹き竿に付けたガラスの種を型の中に入れて息を吹き込み形を作ります。

 

I--型押し

プレス成型とも呼ばれます。溶けたガラスの塊を受け皿に入れて押し型で圧力を加えて成型します。

 

他にも、ヨーロッパのアンティークガラスには国や時代によって様々な製法が取り入れられました。

 

 

I--インジェククション

型の中に溶けたガラスを押し込んで成型。

 

I--パート・ド・ヴェール

フランスのアンティークに多くみられる製法。

フランスでは別名「ガラスのガラスの練り粉」と言われる技法です。粉を型に詰めて成型し、焼成後取り出して仕上げ加工します。

 

I--ミルフィオリ

イタリアのアンティークに多くみられます。イタリア語の「千の花」が語源で、イタリアらしいカラフルな配色が特徴的です。

断面が花模様になる色ガラス棒を切って型に並べ、加熱して1枚の板にしたものを皿や鉢に加工。

ペーパーウェイトなどがよく知られています。

 

I--レース

乳白のガラス棒に透明ガラスを被せ、焼きながらねじって棒に引き、ツイストさせてレースを作り出します。

ヴェネチアンガラスの代表的技法です。

 

I--コアガラス

古代エジプトからある技法。布と泥を固めたものを金属棒の先に付けて作った芯(コア)に、

溶けたガラスを巻き付けて作ります。

 

 

 

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I-バカラなどに見るガラス装飾技法

 

 

I-- グラヴィエール

フランス語で「彫刻」を意味し、バカラでも多く用いられている装飾です。グラヴィエールを用いた製品は非常に高価。研磨剤を付けた小さな回転盤(グラインダー)やリューターにガラスを押しつけ模様を彫刻します。

微細な彫りの凹凸で立体感のある図柄を表現していくこの装飾は、バカラの中でも代表的な技法。

現在でのバカラでは用いられておらず、オールドバカラならではの装飾です。

 

I--エナメル彩

エナメル(融点が低いガラス質の顔料)で絵付けし、600度前後の炉の中で焼き付けます。エナメルのようなカラフルなデザインで、バカラでも19世紀のアールヌーボーに多く見受けられました。

 

I--エッチング

薬品でガラスを腐蝕させ、表面に模様を削っていきます。バカラの代表作である1899年誕生の「セピーヌ」に使われている技法。シンプルながらも美しいエッチングが施されており、特に女性に人気のシリーズです。

 

I--色被せ(いろきせ)

こちらもバカラによく見受けられる技法です。無色透明なクリスタルの表面に色クリスタルを被せる技法。その上からさらにカットやグラヴィエールを施すことで下層の無職の部分が文様として現れます。

 

I--虹彩(ラスター)

金属または金属酸化物の薄い膜をガラス表面に焼き付ける技法。虹、玉虫のような美しい色が出ます。

 

I--カット(切子)

表面をグラインダーでカットし文様を作る秘宝。カットによる光の反射で美しく輝きます。

 

I--サンドブラスト

ガラスの表面に保護膜を貼り、文様部分だけを露出させて圧搾機で金剛砂を吹き付け、ガラス表面を白く刻む技法。

 

I--ダイヤモンド・ポイント

16世紀にヴェネチアで生まれた技法で、ダイヤを先端につけた道具で透明ガラスの表面に細い線で唐草、風景、人物などの文様を描きます。

 

I--泡ガラス

熱く溶けたガラス生地に剣山などを刺し、がすを発生させて気泡を生じさせる技法。

 

I--アイスクラックド・ガラス

吹きガラスが固まらないうちに急冷して表面に網状の亀裂を生じさせたガラス器。17世紀のヴェネチアで生まれた技法です。

 

 

ガラスは現在も手作りの物が多く、基本的には古代と同じ製法や技法で作られているのが興味深いです。

 

今回はバカラを中心にご紹介しましたが、それぞれ素材や装飾が何に当てはまるか、注意深く観察してみるととても面白いと思います。

 

ベルリネッタでも多くのアンティークガラスやオールドバカラのお取り扱いがございますので、ぜひ店頭でチェックしてみてくださいね。

 

 

 ・記事監修

齋藤秀雄
ノリタケの森 アーティストクラブ チャイナペインティング講師(国家資格陶磁器製造技能士1級)

元(株)ノリタケカンパニーリミテド    デザイナー

参考  TALK食空間コーディネーターテキスト2級/ 器物語 ノリタケ食文化研究会編 中日新聞社

器物語 ノリタケ食文化研究会編 中日新聞社 

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