\レースフェア開催中! 11/29(火)まで/
軽井沢のアンティークショップ ベルリネッタ軽井沢です。
軽井沢は今、紅葉の見ごろを迎えています。週末はもちろん平日も多くの人で賑わっており、当店にも連日たくさんのお客様が足を運んでくださっています。
前記事で詳しくご紹介しましたが、ベルリネッタ軽井沢では現在クリスマスマーケットを開催中。100坪を超える店内の至るところにホリディ気分を盛り上げてくれるクリスマスアイテムが並んでいます。他ではあまり見かけない一点ものも多いので、ぜひお早めにチェックしてくださいね。
さて今回のブログは........【アンティーク入門Vol.17】アンティークレースの歴史について、です。
ベルリネッタ軽井沢ではオープン当初から状態の良いアンティークレースを豊富に取り扱っております。実際に見ていただくと一目瞭然ですが、繊細かつ凝ったデザインのアンティークレースは、お安く売られている大量生産品とはまるで異なる美しさ・味わいがあります。
I-アンティークレースのはじまり
「レース」のはじまりは15世紀後半から16世紀にかけてヨーロッパが発祥と言われています。
1500年代半ば、ルネッサンスの時代になると、イタリア・ヴェネチアで金銀糸や絹糸の刺繍など贅沢な装飾を禁止する令が出されたため、手芸工たちは白一色の糸で装飾を施すようになりました。これにより、ドロンワーク・カットワーク・白糸刺繍を発展させた「レティチュラ」と呼ばれるニードルポイントレースが生まれたのです。
*ドロンワーク:地の布の経糸・横糸の両方や片方を引き抜き、糸を寄せたり束ねたりしてステッチでかがり布に透かし模様を作る技法
*カットワーク:柄の輪郭をほつれないようステッチでかがり、地の糸を切り抜いて空間を作り、広い空間には糸を渡して繋ぐ技法。白糸刺繍の1種でエンブロイダリーレースとも呼ばれる。
*レティチュラ・レース:イタリアンニードルポイントレース。カットワークから派生し、空いた空間はボタンホール・ステッチによる枠組みで埋められる。幾何学模様が多く用いられている。
教会のステンドグラスを模した幾何学模様、草花や鳥等の自然モチーフ......様々なレースの技法や図案を載せたパターンブックも出版され、広くレース作りの技術が広まりました。
当初、レースは主に修道院で作られており、修道士のローブや宗教的な儀式に用いられていました。中には虫眼鏡でなければパターンを確認できないほど繊細なデザインのものとあったというから驚きです。
I-王侯貴族の間でレースが大流行!
その後1600年代にはフランドル・イタリア・スペイン・フランス・イギリスなどでも高品質なレースが盛んに作られるようになります。
しかしそんな中でも糸のみで編む『ヴェネチアンニードルレース』が品質も人気も群を抜いており、アンリ2世の王妃であるカトリーヌ・ド・メディシスが自身の出身地でもあるヴェネチアから職人をパリに呼び入れたのをきっかけに、フランス上流階級の間でヴェネチアンニードルレースが大流行したそうです。
この頃、レースは女性だけのものではなく、男性も好んでファッションに取り入れていました。代表的な例が「ひだ襟」です。皆さんも肖像画等で目にしたことがあるはず。取り外し可能な、いわゆる「つけ襟」タイプのもの、袖口やガウンの飾りなどにも積極的に使用されていました。
ヴェネチアンニードルレースは非常に繊細・精巧な作りで価格も非常に高価でした。だからこそふんだんに取り入れるのがステイタスの象徴でもあったのですが、そのせいでフランスの国費が大量にイタリアに流出することに......。そこで時の宰相・コルベールがレースの国産化に取り組みます。
コルベールは大規模な産業振興政策の一環として、1665年から10年間王立のレース工場を設立し、フランス産レースの品質とデザイン向上を図りました。これにより『ポワンドフランス』と呼ばれるニードルポイントレースが誕生。ルイ14世や王侯貴族がこぞって取り入れ、ゴージャスで洗練されたバロックレース全盛期を迎えることとなりました。
*ニードルポイントレース:図案を描いた紙の下に布を敷き、輪郭に沿って芯糸にコーチングステッチで下刺しし、糸と糸の間の部分をニードルワークで埋めます。数本の糸を芯にして最初の芯糸に重ねてボタンホールステッチで留め、最初の仮留め糸を切り、台紙を外します。細い糸で作られたものはとても繊細で美しく、ニードルポイントレース織ることができる技術者はボビンレース職人の1 万分の1しかいなかったと言われています。非常に希少なレース。
ルイ15世の寵愛を受けたポンパドール夫人の登場で、レースはさらなる流行を生み出しました。ベルサイユ宮殿でのファッションリーダーであった彼女の好んだ軽やかで可憐なレースは『ロココレース』と呼ばれ貴人たちの垂涎の的だったそうです。
このように、最盛期のレースは一国の財政を左右するほどの影響力を持つアイテムだったのです。
I-産業革命により、レース製造も機械化
その繊細な美しさから“糸の宝石”とも呼ばれたハンドメイドレース。しかし1800年代に入り産業革命が起きると、レースの製造も機械化されていきました。
1870年までにはほぼすべてのレースが機械で織られるようになり、生産量の増加とともに価格も安価になるとハンドメイドレースは衰退してしまいます。実際、当時から機械製造のレースのクオリティは非常に高く、専門家でさえ手作りのレースと見分けがつかないほどだったのです。そうなると、ハンドメイドレースがビジネスとして太刀打ちできる余地はありませんね......。
しかしながらヨーロッパ王室をはじめとする上流階級の人々を虜にしてきたエレガントなハンドメイドレースは、その繊細な美しさで今なお多くの人々を魅了しています。
ベルリネッタ軽井沢では、テーブルクロスなどに利用できる大判のレースから、フラワーベースの下敷きに使用する小さなラウンドのレース、あるいは額装された繊細なデザインのレースなど豊富なラインナップをご用意しています。
それぞれの特徴から時代を読み解き、歴史や背景を感じながらぜひお気に入りを見つけていただけたら嬉しいです。
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