【アンティーク入門Vol.23】シャンデリアは富裕層のステイタスシンボル!?

軽井沢のアンティークショップ ベルリネッタ軽井沢です。

 

 4月14日(金)より今季の営業をスタートいたしました。GWを前にさっそく数多くのお客様にご来店いただき「また今年も楽しませていただくわね」などとありがたい言葉を頂戴してスタッフ一同喜んでおります。

 

この春もたくさんの新商品を取り揃えてお待ちしておりますが、「これぞ」というものはすでに売れ始めており......可能な方は、ぜひ品揃え豊富なうちにお越しいただければありがたいです。

 

 

さて、今回のブログは......【アンティーク入門Vol.23】シャンデリアは富裕層のステイタスシンボル!?です。

シャンデリアのはじまり

シャンデリア(chandelier)の語源はラテン語の「輝く・白く光る」という語、あるいはフランス語の「蝋燭立て」という語のどちらかであると言われています。この言葉通り、初期のシャンデリアは木製の十字型をした器具の上に蝋燭を立てて使用するものでした。

 

シャンデリアの歴史は非常に古く、前身と呼べるものがすでに古代ギリシャ・ローマ時代にはあったそうです。

 

この頃から蝋燭の灯りが照明として用いられていたのですが、非常に高価で貴重だったため、教会や修道院など限られた建築空間でのみ使用されていました。

 

宮殿や寺院は石造りで日光が入りづらい、かつ天井が高いため、必要十分な明るさを得るためには多灯であることが必須です。また天井から吊り下げる形状にすることで明るさを効率的に確保する必要もありました。

 

そこで天井の留め金やフックからロープで適当な高さにぶら下げ、犬釘が埋め込まれた木製の十字架型に蝋燭を立てて明るさを確保していたんですね。こうして生まれたのが吊り下げ型の多灯照明器具、シャンデリアです。

 

シャンデリアの進化とスタイルの変遷

11世紀に入りヨーロッパ全土で宗教色が濃くなると教会や寺院に多くの人々が集うようになり、それに合わせてシャンデリアも進化を遂げていきました。

 

まず最初に流行したのは「王冠型」「車輪型」と呼ばれるデザイン。ロマネスク調の寺院で使用されていたことから「ロマネスク風」と呼ばれることもあります。

 

その後16世紀には、フランドル(オランダ / ベルギー)地方で作られた質の高い真鍮の装飾品で作られた真鍮シャンデリアが登場。これがルイ13世統治下のフランスで大流行しました。

 

17世紀に入ると、水晶を用いたシャンデリアが登場します。

 

ルネサンス後期にはヨーロッパ全域でバロック様式が広まりましたが、特にルイ14世が活躍した時代には、頂点に花束があしらわれた花瓶型もしくは竪琴型の銅メッキの軸に煌びやかな水晶を装飾したものが人気を集めていました。かの有名なヴェルサイユ宮殿・鏡の間にあるのはこのタイプのシャンデリアです。

 

現代のような、ガラス装飾をふんだんに使ったシャンデリアが生み出されたのは18世紀の出来事です。

 

それまでシャンデリアの装飾には水晶が用いられていましたが、より安価で加工しやすいガラス製のシャンデリアが多く生み出されるようになったのです。

 

マリア・テレジアが職人に命じて作らせたマリア・テレジア型とも呼ばれる金属板アームをクリスタルガラスで挟み込み、一本一本真鍮線を用いて両橋を花形のクリスタル飾りで留めていく......という手の込んだ手法を用いたスタイルが生み出されたのもこの時代です。大変見栄えが良く、現代でも非常に人気があります。

 

18世紀のイングランドでは、ガラス職人たちが価格を抑えるため高価なクリスタルの腕木をやめ、代わりにガラスの破片からできたクリスタル粒をつなげ、シャンデリアの頂点から垂らしてテントのような形を作るスタイルを確立。急速にヨーロッパ全土に広がっていきました。

 

同じ頃、フランスではナポレオン1世のもとナシ型や王者の冠を連想させるフォルムのシャンデリアが流行していました。こちらは「エンパイアスタイル」と呼ばれ、非常に豪華絢爛!現代でも人気を集めています。

 

華やかな飾りを施されインテリア性を高めたシャンデリアは、宮殿・寺院・教会などのほか、富裕層の家庭でもステイタスシンボルとして飾られるようになり、広く人気を博していきます。

 

皆さんも【シャンデリア=お金持ちの家にある照明】というイメージを抱いていらっしゃるのではと思いますが、まさしくその通りの経緯・背景があるんですね。

 

 

お馬さんモチーフの素敵なアンティークシャンデリアが入荷!ぜひ見にいらしてください。

ガラスシャンデリアの誕生

19世紀に入ると、フランスで高品質のガラスシャンデリアが製作されるようになりました。

 

特に1820年代、バカラ社が鉛ガラスを用いたシャンデリアを製作。これを機に同社は世界で最も有名なクリスタル生産社となっていくのです。

 

ちなみに、現代のようにシャンデリアに電球が使用されるようになったのは、1879年にトーマス・エディソンが電球を発明した後の話です。

 

それまでは長らく蝋燭が使われていて、19世紀初頭に石油、その後に灯油のシャンデリアが誕生、続いてガス灯のシャンデリア......という変遷を経て、電球が使われるようになりました。電球はすぐに広く一般家庭にも普及し、ガラス製造業の発達のおかげもあって、富裕層以外にもシャンデリアが広まる大きなきっかけとなりました。

 

日本のシャンデリア

日本にシャンデリアが持ち込まれたのは明治以降、洋風建築とともに輸入されました。

 

当時のシャンデリアで有名なものといえば、旧赤坂離宮に飾られたものが最も大きく華麗です。また旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)内にあるルネ・ラリックのシャンデリアはアールデコ様式のシャンデリアとして非常に有名です。また鹿鳴館に飾られていた豪華なシャンデリアは、現在江戸川区の燈明寺に現存しているそうです。

 

インテリア照明として大人気のシャンデリアですが、こうして歴史を知ったり、それぞれの時代の特徴を知っていると、アンティークを選ぶ楽しみがより深まりますね。

 

ベルリネッタ軽井沢でも常時シャンデリアをお取り扱いしておりますが、上写真に載せたお馬さんモチーフのシャンデリアはこの春に入荷した一押しの商品です。

 

エントランスを入ってすぐのホール天井から吊り下げていますので、ご来店の際はぜひ注目していただけると嬉しいです。

 

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