アンティークキャビネットの種類と魅力

長野県・軽井沢にあるアンティーク雑貨&家具ショップのベルリネッタ軽井沢です。

 

ベルリネッタ軽井沢ではヨーロッパを中心に直輸入したアンティーク家具や食器・雑貨等を取り扱っており、御来店いただくお客さまによりお買い物を楽しんでいただけるよう【アンティーク入門】と題したブログを連載しています。

 

 

今回は......7月22日よりスタートする<キャビネットフェア>にあわせ、アンティークキャビネットについて掘り下げます。

 

 

“キャビネット”の語源

キャビネットの語源はcabin(山小屋)とcappana(小部屋)が合わさったものと言われています。つまり「小さな部屋」という意味ですね。小部屋なので、外界と遮断されています。なのでキャビネットには扉が付いているんですね。西洋の箱型家具の総称として用いられることもあります。

 

発祥国は定かではなく、16世紀から17世紀ごろから、主にヨーロッパを中心に広まったと言われています。

 

古くから大切な貴重品を収めるために使われていました。陶器を収納するためのキャビネットに、記念品の武器が仕舞われている1600年代の資料も残されており、相当長い歴史のある家具だとわかります。

キャビネット職人とは??

1600年代、イギリスではキャビネットにガラス格子の扉がついたデザインが誕生。高価なコレクションを納め、眺める為に使用されるようになりました。

 

 時を同じくして、キャビネット制作の専門集団である『キャビネット・メーカー』と呼ばれる専門の職人が誕生します。

 

 

キャビネットは一見シンプルに見えて、現在でも家具の中で最上位と言われるほどつくりが複雑。加工の難易度も高めです。さらに、ガラス格子の扉となると、さらに寸法精度の高さが求められます。

 

現代においてはCADなどを用いた図面制作などによりより精密な構造計算や作図からの制作が可能ですが、1600年代のイギリスは産業革命まっただなか。

 

機織り機が広まり出した頃の話です。

 

日本では江戸時代中期、上流家庭では小さめの貴重品を収める「箪笥(タンス)」が、一般ではフジの木のツルを素材に編まれた蓋付きのかごのような「葛籠(つづら)」広まっていた時代ーーそう考えると、当時のキャビネットがいかに精巧であったか、キャビネット・メーカーたちの技術力がどれほどのものであったかがわかりますよね。

 

キャビネットの種類と特徴

I--両開きタイプ

 

その名の通り、扉が両開きで開くタイプのキャビネット。扉がガラスのタイプ・中が見えないタイプと様々です。

収納したコレクションが取り出しやすく人気があります。

 

ガラス扉のものは、格子や装飾の美しさに注目。これぞアンティークならではです。

扉が木材で中身が見えないものも、現代ではなかなか見かけない高級木材が使用されていたり、美しいレリーフ(彫り装飾)が施されていたりとアンティークならではの良さがあります。

 

 

I--ブックキャビネット

 

本や書類を収めるためのキャビネットです。こちらも扉がガラスのものを多く見かけますが、中身が見えない木製扉のものもあります。

 食器用のキャビネットに比べると、1段ずつの棚がやや低めに作られています。

 

段数ごとに、上に開くタイプのフラップ扉がついていることが多いのも特徴です。

 

 

I--チャイナキャビネット

 

「チャイナ」というと中国様式....?と想像される方も多いかもしれませんが、そちらの「チャイナ」ではなく、陶磁器の「ボーンチャイナ」が名前の由来です。

アフタヌーンティー文化が隆盛した英国で、ティーカップなどの陶磁器を収納するために作られました。

 

収納するだけでなく、美しいティーカップやポットなどを眺める為の家具でもあります。

 

以前にブログで記事にした「ピクニック・ソサエティー」とも通じるのですが、お茶の時間を楽しみ、陶磁器を大切にする文化が生んだキャビネットです。

 

通常のキャビネットとの違いは、扉が必ずガラスで中が見える作りであったり、ガラスに美しい彫りが施されていたり、脚や扉などに装飾性が高いのも特徴です。

 

 

木目の美しさにも注目!

経年によりますます高級感と重厚感を感じるーーより美しい見た目に変化していくのも、アンティーク家具の魅力のひとつ。

 

ベルリネッタ軽井沢にも、アンティークらしい装飾性の高い家具が数多く揃っています。

中でも今季はキャビネットがバラエティ豊かに多数入荷していますので、「マホガニー」や「ウォルナット」をはじめとする高級木材の質感や木目の美しさ、お気に入りの装飾をぜひ探していただけたらと思います。

  

特にマホガニーを使用した家具は、1700年代頃から現在でいうところの富裕層を中心に大流行となり、伐採されすぎて、マホガニーが絶滅寸前と言われたほど人気を博したとか。

そのため現在はマホガニーの多くが伐採禁止になっているほか、その希少性から現在はワシントン条約で輸入が制限されています。

 

木目が似た木材を染色したような素材はあっても、現在の日本において製造されている家具で、マホガニーを使用したものはほぼありません。

美しく輝く「マホガニー」を使ったキャビネットはアンティークの中でもかなり希少。

出会いを大切にしていただきたいです。

 

 

ベルリネッタでは2022年7月22日より「キャビネットフェア」を開催。

 

期間中はキャビネットを10%OFFでお買い物していただけます。

 

アンティークならではのデザインが大切なコレクションをさらに輝かせてくれます。

ぜひ、足をお運びください。