長野県・軽井沢にあるアンティーク雑貨&家具ショップのベルリネッタ軽井沢です。
ベルリネッタ軽井沢ではヨーロッパを中心に直輸入したアンティーク家具や食器・雑貨等を取り扱っており、御来店いただくお客さまによりお買い物を楽しんでいただけるよう【アンティーク入門】と題したブログを連載しています。
今回は......アンティーク入門番外編とし、アンティーク家具の魅力を深ぼってみたいと思います。
「ヴィンテージ」と「アンティーク」はどう違う?
「アンティーク」・・・骨董品・古美術品。
フランス語で「骨董品」や「古美術品」という意味を持ち、美術・芸術的価値や希少価値が高いもののことを指します。
「ヴィンテージ」・・・時間の経過を経て良さが引き立ったものを「ヴィンテージ」と呼ぶ。
こちらも語源はフランス語の「vin=ワイン」「age=年齢」からきているそう。当たり年のワインを「ヴィンテージイヤー」というのも納得ですね!
「アンティーク」は、ただ古い時代に作られたというだけでなく、当時にしかない技術が盛り込まれていたり、量産化される前の時代の職人の手作業を感じられる逸品も多いのが特徴です。
アンティーク家具に使用される貴重な木材「マホガニー」
アンティーク家具には「マホガニー」や「ウォルナット」をはじめとする高級木材が多用されています。
特に、三大銘木の一つでもあるマホガニーは木材として柔らかで加工しやすく、さらにその木目の繊細な美しさから、繊細な装飾を施した家具や楽器に使用されてきました。
また、マホガニーといえば赤茶色の木肌が特徴です。
最初は赤みのない木肌が経年で徐々に赤みととともに深い赤茶色に変化し、経年で高級感と重厚感を感じる見た目に変化するのもマホガニーの家具にファンの多い理由のひとつです。
特に中南米のマホガニーは「カリブの宝」と言われ、マホガニーを使用した家具は、1700年代頃から、現在でいうところの富裕層を中心に大流行となり、伐採されすぎて、マホガニーが絶滅寸前と言われたほど人気を博しました。イギリス家具絶頂期と言われる「マホガニーの時代」です。
現代においてはその希少性から価値がさらに高くなり、現在はマホガニーの多くが伐採禁止になっているほか、その希少性から現在はワシントン条約で輸入が制限されています。
そのため木目が似た木材を赤く染色したような素材はあっても、現在の日本において製造されている家具で、マホガニーを使用したものはほぼありません。美しく輝く「マホガニー」を使った家具はアンティーク家具ならではといえます。
職人の手技を感じられる、アンティークならではの美しい装飾の数々
アンティーク家具のファンの方にはその装飾の美しさに虜になってらっしゃる方も多いと思います。
アンティーク家具には、木を彫り込んでつくる「浮き彫り」や向こう側が透けて見える「透かし彫り」など、美術館で見るような芸術とも言える、美しい装飾が多くみられます。
古くからヨーロッパは職人の街と言われる地域が多く存在し、家具職人を育成する学校、文化が発展しています。
決してニッチな業界でなく、創立130年を超える職人の学校には募集30名に対して、1000名の応募者が来るほど、職業としても地位が確立しています。
また、家具などの専門の職人が多く、古いものを長く受け継ぐ意識が高いのも、今でも多くのアンティーク家具が流通している理由の1つだと思います。古いものをリペアして大切に引き継ぐ流れとして、リペア前提の塗装や技法で作られた家具も多く、現代の組み立て家具にはない魅力かもしれません。
歴史の流れを感じられるアンティーク家具
家具の装飾を見れば時代背景がわかる?!と言えるほど、アンティーク家具の装飾には時代とともに変遷があります。
例えば、イギリス家具の「ウォルナットの時代」(1660-1720)
1659年にクロムウェル護国卿が亡くなると、英国を覆っていた清貧・簡素を良しとする気風は薄れ、社交や芸術を愛し博識かつ好奇心旺盛な国王・チャールズ2世は「陽気な王様」というあだ名で親しまれます。この時代に新たに登場したのは『ツイスト』と『カーブ』の意匠模様です。
キャサリン王妃への敬意を表しデザインされたというCスクロール(C字の渦型)の発展型・ブラガンザの装飾が施されたり、前面下部にダッチ・ボウ(オランダ様式の弓型装飾)が取り付けられたりと、質素・簡素なデザインから大きく変化します。
当時の国王が亡命先で学んだファッションやマナーを率先して家具装飾にも取り入れたためと言われています。
国別の家具と時代背景については【アンティーク入門】本編でも詳しくご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
■オークの時代(1500-1660)
■ウォルナットの時代(1660-1720)
■マホガニーの時代(1720-1770)
■サテンウッドの時代(1770-1830)
【アンティーク入門:vol.14】英国アンティーク家具の愉しみ方①
【アンティーク入門:vol.15】英国アンティーク家具の愉しみ方②
【アンティーク入門:vol.12】アンティークフランス家具の歴史①
【アンティーク入門:vol.13】アンティークフランス家具の歴史②
代々受け継がれる財産として・・・
アンティークも同様で、大切に使えば代々お使いいただける素材の良さ、量産化された現代にはない装飾の美しさを実感いただけます。一度での購入されたお客様の多くがアンティークの魅力にはまり、一点一点、少しずつ家具を選びに店頭にいらしてくださいます。
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【アンティーク入門Vol.3】違いがわかる!ヨーロッパ名窯の歴史と特徴
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